キャリバー RMUL2
スケルトン仕上げの手巻き式ムーブメント、時・分・秒表示。
バッバ・ワトソン トゥールビヨンのモデルを製作した経緯と直結する時計。私たちはこの時計の開発に情熱を注ぎました。振幅と正確な動作。そして禅の修行のように神経を集中する準備の時間から、静寂を瞬時に打ち破るショット。ボールが長い軌跡を描く時間、さらに次のティーグラウンドへの徒歩での移動。こうしたゴルフの要素に魅了されます。
RM 055 バッバ ワトソンは、2011年に発表されたRM 38-01 トゥールビヨン バッバ・ワトソンからインスピレーションを得ています。グレード5チタン製の機械式ムーブメントは徹底したスケルトン構造になっており、地板とブリッジにPVDおよびTitalyt®処理を施しています。この組み合わせは構造全体に優れた硬度を備えるとともに、表面を完全に平らに仕上げることができ、輪列の極めてスムーズな動作が確保されます。その結果、RMUL2 キャリバーは500gを超える加速に耐えることができます。
ムーブメントには可変慣性テンプを搭載することで、衝撃を受けたときや、ムーブメントの組立・分解を行うときに高い信頼性を保証し、タイムピースの長期的な精度を向上させています。緩急針はなく、テンプに直接取り付けられている4つの調節可能な小型ウェイトにより、正確で反復可能な慣性の調整が可能です。二重香箱システムは長期的なトルク安定性を向上させ、均一化させます。この効果は、蓄えられたエネルギーを2つの香箱へ分散してトルクを均等化し、軸受けと回転軸にかかる圧力および、これらの部分の摩耗が低減されることで得られるもので、その結果として長期にわたって性能が向上します。
RM 055のケースのこの特徴的な構造は、スポーツマンの厳しい要求を満たすために、独特のデザインになっています。ATZのベゼルは約2,000バールの圧力で注入された酸化アルミニウム粉末のチューブから作られました。この高圧射出によって剛性が20~30%増し、また気孔率も極限まで低く抑えられます。
ATZは、高い耐傷性(1400ビッカース)と耐変色性で知られており、ダイヤモンドに次ぐ硬い素材の一つとみなされています。ダイヤモンドのツールを用いた長時間の難しい機械加工は、この複雑でカーブしたラインのベゼルを完璧に製造するために、またサテン仕上げにも必要です。ミドルケースとバックベゼルには、グレード5チタンを使用し、保護用のホワイトラバー製ケーシングを採用しました。チタン製部品の周りに高圧で噴射されたこのラバーが、ムーブメントをあらゆる振動から遮断することができます。この特殊な表面加工によって、時計の装着感も極めて快適になりました。
RM 038 バッバ・ワトソンの後続モデルに相応しいRM 055は極めてテクニカルで革新的かつスポーティな作品。高級時計製造の伝統に従い、仕上げは手作業で施されています。