2010年以降、リシャール・ミルとラファエル・ナダルは、時計製造の歴史でも他にはないコラボレーションを通じて、いくつもの素晴らしい時計を開発してきました。RM 27-03も例外ではなく、耐衝撃性の面では、トゥールビヨンムーブメントが技術的なパフォーマンスの可能性を大きく広げています。このムーブメントは、最大10,000Gの衝撃に耐え抜き、時計製造の歴史のなかでも画期的なものです。本モデルはラファエル・ナダルが試合中に発揮するパワーを物語っています。
キャリバー RM27-03
手巻きトゥールビヨンムーブメント、時・分表示
50本の限定エディション
このタイムピースのデザインは、スペインが生んだテニス界の王者の強い個性を表したものです。
ローラン・ギャロスはこのタイムピースを披露する格好の舞台でした。クレーコートはラファエル・ナダルが得意としており、当時、全仏オープン9度の優勝を誇っていたなど、彼の力が存分に引き出されるコートです。球足が遅くなりイレギュラーしやすいクレーコートでは、アグレッシブなプレースタイルが有利ですが、同時にテニスの基本原理を守ることが求められます。
それと同様に、RM 27-03には革新的な素材と時計の複雑な構造が共存しています。クレーコートはプレーに大きな効果を与えることで知られていますが、ラファの祖国スペインにオマージュを捧げる、レッドとイエローが鮮やかなRM 27-03 クオーツTPT®製ケースにも同じことが言えるでしょう。この強烈なカラーは、厚さわずか45ミクロンのシリカ層に、着色したマトリクスを染み込ませたもの。スイスで開発された独自の製法に従い、繊維を何層も重ねてから120度で加熱します。
クオーツTPT®の新色を発表する際、REACH(化学物質登録評価許可規則)に準拠した色の安定性に加えて、生体適合性と耐久性の問題も解決することは、リシャール・ミルとノース・シン・プライ・テクノロジー社のエンジニアたちにとって高い技術力を必要とします。複合素材が完成すると、今度はケースや部品を製作するための長時間に及ぶフライス加工と仕上げが待っています。
この驚くべき時計の最大のイノベーションは、最大10,000Gまでの耐衝撃性能をもつトゥールビヨンキャリバーです。この基準値は、長年の研究開発や、膨大な時間をかけたテストの結晶です。
特に「振り子式衝撃試験」では、突発的に動いた場合や着用者が衝撃を受けた際にかかる、直線加速度のシミュレーションを行いました。スケルトン構造のカーボンTPT®製モノコック地板に、超軽量トゥールビヨンキャリバーをミクロンレベルの精度で組み立て、破壊することがほぼ不可能な強度を実現しています。また、配置する構成部品の数を抑えることで、さらに重量を減らし、時計全体を軽量化しました。高速回転バレルは、70時間という駆動時間の間、常に安定して動力を供給します。
RM 27-03のキャリバーには見事な仕上げが施され、手作業のテーパー面取り加工や、優美なサテン仕上げによって精緻なマイクロブラスト加工を施した部品の輝きが引き立てられています。RM 27-03は、そのボリューム感が印象的です。香箱を囲むスケルトン構造のブリッジは特徴のあるシャープな流線型の曲線を描き、二番車や3Hzで振動する手巻きトゥールビヨン機構と共に、ナダルのエンブレムである前方から見た雄牛の頭を彷彿させます。スペインのシンボルである雄牛はナダルが好んで使うエンブレムでもあります。また、巻き上げや時刻合わせを行うためのクオーツTPT®製のトルクリミッティングクラウンは、テニスボールの形をしており、遊び心を込めたオマージュとなっています。