RM 17-01 トゥールビヨンは、RM 017を新解釈したモデル。特徴的なトノー型のケースで表現された上品かつ洗練されたラインが、最新技術を駆使した極めてエレガントなキャリバーを引き立てます。
伝統と卓越性を兼ね備えた高級時計の価値を象徴するキャリバー RM 017には、ファンクションおよびパワーリザーブのインジケーター、あるいは心臓部に贅沢に用いたチタンによって表現された、機械的なイノベーションへの情熱が昇華されています。
RM 17-01 トゥールビヨン
手巻きトゥールビヨンムーブメント、時・分表示、パワーリザーブインジケーター、ファンクションインジケーター。
約70時間(± 10%)。
地板とブリッジの素材はグレード5のチタンで、これは生体適合性と耐食性に優れた極めて硬い合金であるため、輪列がスムーズに作動します。 合金の組成は、チタンが90%、アルミニウムが6%、バナジウムが4%。 この組成によって素材の機械特性がさらに強化されるため、航空宇宙産業や航空産業、自動車産業でよくこの合金が使用されています。
スケルトン加工を施した地板とブリッジは、個々に徹底した検証テストを経て、最高の強度条件を満たしています。
パワーリザーブインジケーター
2時位置のスケールに設置されたパワーリザーブインジケーターは、時計を巻き直す必要が生じるまでに、主ゼンマイに残された動力の時間を示します。
ファンクションインジケーター
車のギアチェンジのように、ファンクションインジケーターはリューズを引き出すことにより、W(巻き上げ)、N(ニュートラル)、H(時刻合わせ)のポジションを示します。 4時位置の針が現在の機能を表示します。
可変慣性フリースプラングテンプ
フリースプラングテンプにより、衝撃を受けた場合やムーブメントの組み立てと分解の際に、より高い信頼性がもたらされ、また長期間にわたり優れた計時精度が保証されます。
高速回転バレル(1回転=6時間、従来は7.5時間)
この香箱は以下の長所を備えています。
・主ゼンマイの周期的な張り付き現象を大幅に減少させ、性能を高めます。
・パワーリザーブ、性能、均一性の理想的な比率を採用、主ゼンマイは優れた三角曲線を有しています。
ギアブロック付きセーフティシステム
このシステムはテンプの振り石を保護し、巻き過ぎから香箱を守ります。
ムーブメントの特徴
ムーブメント直径:31.20 mm x 29.45 mm
厚さ:4.65 mm
トゥールビヨン直径:12.30 mm
テンワ直径:10.00 mm
石数:23、ホワイトゴールド製シャトン(石座)にセッティング
テンプ:グリュシデュール®製、2アーム型、4個の調整ネジ、慣性モーメント 10 mg•cm2、リフトアングル 53°
振動数:21,600振動/時(3 Hz)
ヒゲゼンマイ:ニヴァロックス®によるエリンバー
耐震装置:KIF エラスター KE 160 B28
香箱真:ニッケルフリーのクロニファー®(DIN x 46 Cr 13 + S)製。以下の特性を有しています:耐錆性・耐磁性を備え、熱処理に最適
ケース
この時計の設計と製作には、ムーブメント、ケースおよびダイヤルのコンセプトに関する包括的なアプローチが反映されています。 その結果、車台とエンジンが完璧に調和したF1レーシングカーの設計に用いられる分析的な技術を駆使し、すべてが極めて厳密な仕様に合うよう構築されました。 例えば、ケーシングリングは用いず、ムーブメントは、グレード5チタン製ネジで固定したシャシーのマウントラバー(ISO SW)に取り付けます。 このような特徴は、妥協を許さない職人技術の証と言えます。
3層構造のケースには2つのニトリル製O-リングガスケットが使用され、50mの防水機能を保証。 ケースの組み立てには、12本のグレード5チタン製スプラインネジと、316Lステンレススティール製の耐摩耗性ワッシャーを使用しています。
トルクリミッティングクラウン
この追加安全装置によって、巻き真の損傷や香箱の主ゼンマイへの圧力のかけ過ぎといった問題を引き起こす恐れのある過度の巻き上げを防ぎます。
仕上げ
・手作業による面取りと研磨
・手作業によるポリッシュ仕上げの係止部
・サファイアブラスト加工を施した切削部分
・ラップ加工およびポリッシュ仕上げの接続部分
・艶出しした軸
・サファイアブラスト加工を施した表面
・手作業による面取りと研磨
・艶出し加工を施した部分
・サテン仕上げの表面
・ダイヤモンドツールによる凹面面取り
・サーキュラー仕上げの表面
・ロジウムメッキ加工(歯をカットする前)
・歯の形状と性能を維持するため、加工後の処理は最低限に留める
その他の特徴
この機構により、特に巻き上げの開始時に、巻き上げ効率を向上(約20%)させることができます。 またこれにより、主ゼンマイの張りが効率的に配分されます。
香箱の歯とカナのセントラル・インボリュート歯形により、最適な圧力角20°が得られます。 これにより、回転運動の効率が高まるとともに、輪列における歯車のかみ合いにばらつきが生じても補正されます。その結果、優れたトルク伝達効率と性能の大幅な向上が実現されました。
これは、磨耗現象をなくすための長期的な技術的展望を反映するもので、摩擦学において技術的な進歩をもたらしました。