情熱を燃やし、限界を超え、比類なき技術力とスポーツ性能を発揮してゴールを目指す!これはリシャール・ミルと2年に1度開催される伝説のル・マン クラシックが、2002年にタッグを組んで以来共有する共通点のほんの一部にすぎません。
リシャール・ミルの自動車界への関わりは、とても強いものです。サーキットへの大きな貢献、チームやドライバー、そして特にこの競技に加わる女性へのサポート等によって、その始まりから常にル・マン クラシックに関わってきたことはブランドとして、ごく自然のことでした。2008年からは毎度、大会に関連したカラーを採用した特別な時計を発表してきました。今回の時計も例外ではありません。
RM 72-01 オートマティック フライバック クロノグラフ Le Mans Classic
スケルトン加工を施した両方向巻き上げ式自動巻きムーブメント、時・分表示、スモールセコンド、日付表示、フライバッククロノグラフ、ファンクションインジケーター、ストップセコンド。
150本の限定エディション
パワーリザーブ (± 10%). クロノグラフ機構を分離させることにより、クロノグラフの稼働中にベースムーブメントの動作を妨げません。
地板とブリッジの素材はグレード5のチタンで、生体適合性と耐食性に優れた、高い剛性を持つ合金であるため、輪列 がスムーズに作動します。合金の組成はチタンが90%、アルミニウムが6%、バナジウムが4%。マイクロブラスト加工 のグレード5チタンにグレーのエレクトロプラズマ処理を施すことで、組み立て全体の剛性が強化され、完璧な平面性 が得られます。この組成によって合金の機械的性質がさらに強化されるため、航空宇宙産業や航空産業、自動車産業で 多用されています。
スケルトナイズされた地板とブリッジは、徹底した検証テストを経ており、最高の強度条件を満たすとともに、経年劣
化にも耐えることができます。
リシャール・ミルが特許を取得したこの新タイプのフライバッククロノグラフは、クロノグラフの積算計間に生じるトルクを分離。ディスプレイと時分の連結部分はクロノグラフ秒針の歯車から切り離されています。
このクロノグラフは、パフォーマンスが最大限に高められています。3つのクロノグラフ積算計の動力は香箱から直接 供給されるため、強力なエネルギーがクロノグラフの歯車に伝達されます。クラッチに採用されているのは、レバーに 搭載した2つのスイングピニオン。これらのレバーはスタート、ストップ、フライバック、リセットの機能を制御し、6 本の柱をもつコラムホイールによって作動します。この構造により、作動と機能停止を瞬時に行いつつ、精度を長期に 渡って持続させます。
この発明は、計時における大きな進歩と言えるでしょう。既存の機構に比べて外部の悪影響を受けにくく、スペースを 取らない機構となっており、クロノグラフ機能と通常の時計機能が分離されているので、クロノグラフを作動してもム ーブメントの動きに一切影響を与えません。 4時位置にあるプッシュボタンを押すと、メカニズムをストップさせずに作動中のクロノグラフ針のリセットができます。
アワーカウンター上の数字16は耐久レースの伝統的なスタート時刻にちなんで、赤色でアンダーラインが引かれています。
日付表示
日付は7時位置の縦長の表示窓に示され、日付が変わる時にほぼ瞬間的に切り替わります。
ファンクションインジケーター
リューズを引き出すと、ファンクションインジケーターが車のギアチェンジさながらに、巻き上げ、時刻設定、日付設 定のいずれかを表示します
ムーブメントの特徴
- ムーブメントのサイズ:29.10 x 31.25 mm
- 厚さ:6.05 mm
- 石数:39
- テンプ:CuBe(ベリリウム銅)製、4アーム型、4個の調整ウェイト、慣性モーメント7.5 mg•cm2、
リフトアングル50º
- 振動数:28,800振動/時(4 Hz)
- ヒゲゼンマイ:AK 3
- 耐震装置:インカブロック908.22.211.100(透明)
ケース
この時計の設計と製作には、ムーブメント、ケースおよびダイヤルのコンセプトに関する包括的なアプローチが反映されています。 その結果、すべてが極めて厳格な仕様に適うように構築されました。 例えば、ケーシングリングは用いず、ムーブメントは、チタン製のネジで固定したシャシーのマウントラバー(ISO SW)に取り付けます。 このような特徴は、妥協を許さない職人技術の証と言えます。
ケースはクオーツTPT®で出来ており、これはシリカ糸を一本ずつ連ねて作られた平行繊維層を600枚以上重ねて造られています。45ミクロン以下のシリカ層に、リシャール・ミルのために特別に開発された白、もしくは緑の樹脂を浸み込ませて、各層ごとに繊維の角度を45度ずらしながら成型する特別な装置を用いて織られます。
その後、航空産業部品製造で用いられるような高圧窯の中で、6バールの圧力下で120°C で加熱されます。そしてリシャール・ミルのファクトリーでCNCマシンを使用して加工されます。機械加工により層の模様がランダムに現れるため、加工後の部品はふたつとして同じものはありません。
クオーツファイバーは、優れた耐熱性と強度と、電磁波の透過性から一般的には高性能な装置に用いられる素材です。
3層構造のケースは3つのニトリル製O-リングが使用され、30M防水を保証します。ケースの組み立てには、12本のグレード5チタン製スプラインネジと、316Lステンレススティール製の耐摩耗性ワッシャーを使用しています。
仕上げ
- マイクロブラスト加工を施した面取り部分、手作業によるポリッシュ仕上げを施したブリッジ
- マイクロブラスト加工を施した切削部分
- マイクロブラスト加工をと手作業によるポリッシュ仕上げを施したくり抜いた面
- 地板とブリッジにグレーのエレクトロプラズマ処理
- サテン仕上げの表面
- 手作業によるポリッシュ仕上げを施した面取り部分
- 手作業によるポリッシュ仕上げのくり形面
- 引き抜き加工を施したエッジ部分
- ダイヤモンドツールでポリッシュ仕上げを施したくり抜いた面
- ダイヤモンドで研磨した角
- 環状平滑表面処理
- ロジウムメッキ加工(歯をカットする前)
その他の特徴
プラチナ製ローターにセラミックス製ボールベアリングとOne Way®システムを組み合わせることにより、香箱をコンパクトなサイズに保ったまま効率的な巻き上げが可能になりました。
この香箱は以下の長所を備えています:
-主ゼンマイの周期的な癒着を大幅に減少させ、性能を高めます。
-最大のパワーリザーブ、性能、安定性を実現する最適なトルク曲線。
キャリバーCRMC1の歯車にはすべて特殊な歯型を採用、20度という理想的な圧力角で圧力がかかります。
この圧力角は、最適な回転動作を達成するとともに、軸間のばらつきを抑えます。この新しい輪列によって、優れたト ルク伝達効率を達成しました。