SPEED TALE

『スピードテール』が語るのは、情熱に持って活動するふたつのブランドのストーリー。名車のハンドルを握って、荒涼とした道を自由奔放に走り抜けるという喜びを映し出しています。映画監督ギヨーム・ミルは、ビデオクリップの大ファンで、この作品は彼のお気に入りアーティスト、ジャミロクワイの『コズミック・ガール』にトリビュートしています。彼が幼少時に目の当たりにした表現形式、スタイルそしてファッションに敬意を表した作品です。

人間と機械の間にある独自の結びつきを描くのが私の目的でした。リシャール・ミルとマクラーレンが情熱をもって仕事をし、それぞれの領域で本物の感動をどのように維持しているのかを見せたかったのです。この映像は、人生の生きがいについて、ひとつの概念を証明しているとも言えるでしょう。日没を背景に、名車のハンドルを握って人気のない道を駆け抜けたいという夢を見たことがない人はいるでしょうか?チャンスをつかむ。それが私たちのモットーであり、私たちの哲学を共有するすべての人々の信条でもあるのです。

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私はミュージックビデオの大ファンで、ずっと前から気に入っていたジャミロクワイの『コズミック・ガール』に捧げるオマージュとしてこの映像に取り組もうと思いました。ジェイ・ケイは、自分の所有するランボルギーニ・ディアブロを『コズミック・ガール』の主役にするチャンスをものにし、自動車に対する愛を表明しました。ビデオの雰囲気を再現する手段として、私たちもジャミロクワイが走った同じ道で撮影するためにスペインに向かいました。
私が子供だった1990年代の10年は確かに、クレイジーで自由な表現があり、それをいくつかのカットに織り込むことを試みました。例えば、「時代の真正性」を保つために、ドローン映像の代わりに、あえてタイムラプスと望遠ズームを使用しています。一昔前のような映像ですが、現代の優れた技術的手段を用いたのです。
また、90年代のビデオゲームからのインスピレーションもあります。マイクロソフト・スタジオもマクラーレンのパートナーですが、その「フォルツァ ホライゾン 4」でこの映画のプリプロダクションを行いました。

私たちのようなブランドの場合、製品の美しさを披露するのは比較的簡単です。目を惹きつけるラインナップがあるからです。しかし、製品の美しさを視覚的に表現するのは非常に難しく、繊細かつ正確に表現しようとすると、製品がもたらすエモーショナルな部分が重要になります。リシャール・ミルのウォッチを着用すること、あるいはスピードテールを操縦することは、極めてパワフルかつユニークな体験です。それがチャレンジだったのです。

もう既に何年も、ピエール・エーデルマンとは息の合った仕事を実現してきました。物事の方向性を即座に理解し、私のアイディアを視覚的に描写してくれるからです。私は彼に絶対的な信頼を寄せています。私の期待以上のことを実現してくれるからです。ピエール・エーデルマン、そしてNorthstarと働き、完璧な短編映画を創り出すのに必要な全ての要素が揃ったと確信しました。

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この映画は「Y世代」特有の自動車に対するアプローチへのオマージュです。彼らはバーチャルな自動車レースの世界を発見し、そのドライビング技術や運転の喜びに親しんできた世代です。私たちはスクリーンの前でジョイスティックを手に、自動車製造業界の素晴らしい考案の数々に初めて触れたのです。今日、その体験を映像に置き換えることで、この美学に敬意を表しています。



回顧的で没入感のある雰囲気は、プロモーション映像の既成概念を覆すものです。こうした状況で、RM 40-01を前面に出さないのは最悪な行いに見えるかもしれませんが、一種の贅沢でもあるのです!映画の中でスピードテールのドライバーが自然体で演じたその姿は、まさに自分のものであるかのように感じられます。マイク・フレウィット(マクラーレン・オートモーティブCEO)は「これら車は操縦されるために造られた。道を走ることで命が宿るのだ」と誇らしげに言います。リシャール・ミルのウォッチにも同じことが言えます。自然な環境の中では何の影響を受けることもなく、現実の世界では積極的にその役を演じるのです。

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